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あやふや本 No.6410

内容

図書館で読んだ本です。
40年くらい前には発行されていたと思います。
全体的に薄暗い雰囲気の小説のショートショート集で、作者は星新一ではありません。
作者名は覚えていませんが、「赤」という字が入っていた気もします。
収録作のうちの1作だけが強く印象に残っています。
展開はほぼ全て覚えているので、結末までになりますが書いていきます。
『飛行機事故があり、その乗客の家族が集められている。(乗客の数は細かく覚えていないので仮に100とするが、多分もう少し多く、半端な人数だったと思う)
現地からの連絡として、99名生存、1名のみ死亡の報が伝えられる。
その1名の名前も知らされる。
大半の家族が生存者家族という状態で、たった1名の犠牲者の家族に同情する雰囲気。
しかししばらくして、最初の報が間違いで、99名死亡、1名生存だったという訂正が入る。
立場が逆転して、たった1人の生存者の家族がいたたまれないような雰囲気になる。
やがて現地へ向かう手段が用意されて移動する頃合いになって、ただ1人の生存者も間もなく死亡し、全員死亡となったという連絡が入る。
その場の家族は皆等しく犠牲者の家族となり、奇妙な安堵の雰囲気の中で現地へ向かうのだった。』

この本が気になります!


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こたえ

作品のタイトル:善人は若死にをする『悲しみの遺族』

作者:大西赤人

本のリンク:この本のURLへ(外部サイト)

その他,依頼者コメント等:
リプの方の「大西赤人さんのような気がします。」を見て記憶をかすめるものがあり、名前で検索したところWikipediaに項目がありまして、著書一覧から『善人は若死にをする』と『人にわが与うる哀歌』のタイトルに覚えがありました。2冊まとめて読んだ記憶があります。

調べてみたところ現在『善人は若死にをする』のタイトルで光文社文庫から電子書籍が出ていました。
購入して確認したところ、複数の作品集から抜粋して収録したもののようで、収録作品『悲しみの遺族』が探していた作品で間違いありませんでした。この本の中での章立てとしては『人にわが与うる哀歌』の部分に収録されていましたので、恐らく当時読んだ時(ハードカバーだったと思います)にもそちらに収録されていたのだとは思いますが、断定は出来ません。
回答としては、今入手可能な光文社文庫版『善人は若死にをする』の収録作品『悲しみの遺族』という表記をしていただければいいのではと思います。

話の流れだけはずっと覚えていたのに作者名などまったく思い出せなかったので、今回ヒントを頂けて作品に辿り着くことが出来、大変嬉しいです。ありがとうございました。


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