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あやふや本 No.7485

内容

読んだ時期は2006~2008年頃だったと思います。おそらく海外の児童文学の和訳本で、ハードカバーでした。ジャンルはSFです。
主人公は小学校低学年ぐらいの女の子。
世界観は今よりも科学技術の発展した近未来。
人類は地球を棄て、新天地を求めて宇宙へと旅立つことになります。
資産家や先進国に住む人々は図書館や映画館など娯楽設備も十分に整えられた最新鋭の宇宙船に乗り込み、希望に満ちた惑星へと赴くが、そうでない主人公たちは最低限の設備しかない宇宙船で、生存に適さないかもしれない未知の惑星へと向かうことになります。
積載量もスペースも限られているため、持ち込める荷物は最低限の日用品と、本一冊のみ。
皆が技術書や娯楽本を選ぶ中、主人公が選んだのは、何も書かれていない真っ白な本だった――というところから物語が始まります。

以下、箇条書きで覚えている内容を、ストーリーの時系列に沿って羅列致します。
・海外(?)児童文学。ジャンルはSF。ハードカバ-。あやふやなのですが、表紙絵に三つ編み女の子、その後ろに巨大な蛾がいたような…..海外の絵本のようなタッチの絵だったと思います
・作中において、最新鋭の技術を紹介するくだりで「フロッピーディスク」という単語が用いられていたので、そこそこ昔に書かれた作品と推察。
・主人公は小学校低学年ぐらいの女児。髪型は三つ編み。兄と姉がいる。
・主人公が選んだのは何も書かれていない真っ白な本。皆に不思議がられたり非難されたりしますが、主人公はこれでいいの一点張り。この本についてはラストに明かされます。

割と早い段階で移住先の惑星へと辿り着く。話のメインは惑星開拓。
・移住先の惑星は緑の木々、湖、人の頭ほどの大きさの丸石が無数にある。
・木は斧の歯が立たないほど硬かったが、火で熱すればバターのように容易く加工できるようになることが判明し、丸小屋を建てて村を作ることに成功燃える木や、丸太小屋の挿絵があった記憶)。
・木からは鍋いっぱいの蜜も取れる。おいしい。

・住の次は食の確保だと皆意気込んで麦を植えるでも、収穫できたのは六角形のガラスのような実。大人たちは絶望し、各自家へと帰っていってしまう。
ここで主人公の姉が、石でその麦を挽いて粉状にし、パンケーキにすることを思いつく。ガラス質の麦は加工も容易で、主人公たちは美味しく平らげる。帰ってその旨を両親に報告したところ「未知のものを食べるなんて!」と大目玉を喰らい、すぐ医者のもと連れて行かれるも、時間が経過しても異常が現れるどころかすこぶる健康体。みんな安心して麦を収穫し、食糧問題も解決する。

物語終盤、惑星は巨大な蛾の形をした宇宙生物の繁殖地であり、実は夥しい数の丸石はすべてその卵であることが判明する。次々に卵から孵る巨大な蛾。終わりだと絶望する大人たち。
ここで主人公は木々から出る蜜を鍋に集め、蛾の目の前に差し出す(挿絵あり)。
蜜を平らげた蛾たちは他の惑星へと飛び立っていった(蛾たちがアーチを作るように集団飛行して湖畔の彼方へ飛び立っていく挿絵があったと記憶しています。
おそらく蛾は星から星へ移動する渡り鳥のような生態をしていて、主人公たちのたどり着いた惑星はその産卵地)。

・物語のラスト、主人公は自分が地球から持ってきたあの本を取り出します。そして、何も書かれていない真っ白なページに、自分の体験した物語を記し始めた

――という終わり方でした。
主人公が真っ白な本に書いた最初の一行が、まさに現実の小説の最初の一行目と同じでした。
主人公がこの小説の作者だった、というオチに、初見の時大興奮した記憶があります。
(セリフ含め記憶に全く自信がないので、話半分に聞いていただきたいのですが、この最初の一行はお父さんのセリフだった気がします。”「一冊しか持って行けないんだ」とパパは言った。”とか、そんな雰囲気だったような…?)

この本が気になります!


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こたえ

作品のタイトル:パティの宇宙日記

作者:ジル・ペイトン・ウォルシュ

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その他,依頼者コメント等:
『パティの宇宙日記』で間違いありません、表紙を見た瞬間記憶が蘇りました…!!
思い出深い本との再会が叶い、感無量です。あやふや文庫様、このような機会を与えてくださったこと、終始大変丁寧なご対応をいただけたこと、全てに頭が上がりません…!この度は本当にありがとうございました…!!
あやふや文庫様にも今一度改めて御礼申し上げます。素敵な活動をありがとうございます!サイトの作りも本当に丁寧で、あやふや文庫様の本に対する愛とリスペクトをひしと感じました…!
私も今後何かお役に立てることがあれば良いなと思います。今後の活動も応援しております…!


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