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あやふや本 No.A9987

内容

·1998年から99年頃、小学校中学年または高学年の学級文庫にあった。
·恐らく海外の児童書の邦訳。本の外観は失念。挿絵はあったと思う。
·不思議な雑貨屋で売られている品物の、それぞれにまつわるオムニバス形式の話。時代背景は恐らく近現代頃、舞台は西洋。

·その中の一話。
登場するのは地方の名家に生まれたお嬢様。
嫁入り前の少女。
見た目は可愛いが性格が悪くて我儘。
お付きのメイドまたは家庭教師に不純異性交遊の濡れ衣を着せて首にして家から追い出したりしている。
そのお嬢様がひょんなことから、不思議な雑貨屋から姿見を買う。
自分の部屋に備え付けさせて、そこに映った美しい自分を見る。
ある日中央から名士がお嬢様の住む町に訪れる事になった。
名士は若く、ハンサムと評判。
自分に自信のあるお嬢様は、名士の来訪を心待ちにする。
中央の女とは違うアピールで心を射止めてみせるわ。
ぺらぺらお喋りをせずにそっと見つめてみたり。
ドレスのショールをほんの少し肩から落としたら、美しい肌に釘付けになるかしら。
大胆に見せつけるようなことはしない。
下品にならないように、ほんの少しだけ。
そんなことを夢想して、古い鏡を見つめている。
そうこうしているうちに名士が来訪する。
晩餐の席で、名士はその家のお嬢様と初めて顔を合わせる。
名士は内心で意外に思う。
同じ年頃の少女達とは違い、お嬢様は彼に黙ったまま思わせぶりな視線を送ってきたり、偶然を装って自らの肌を見せてきたりしない。
殆ど目を合わせることもなく、話し声は控えめで、カトラリーを左右逆に使うのは気になるが、所作は美しく感じが良い。
翌日、お嬢様の家は大わらわ。
名士とお嬢様が居なくなった。
駆け落ちにしても、荷物はそのまま。
誰一人目撃者がいない。
捜索しても結局二人は見つからなかった。
最後に、庭師か下男かがその夜に目撃したものを証言する。
「庭から見えたのは、お屋敷の中でワルツを踊っているお二人の姿です。
窓に影だけ映っていました。
変わったご様子はありませんでした。
とても楽しそうだった。
でも不思議だったのが、お二人のステップが入れ替わっていて、女性が男性をリードして踊っているように見えました。
まるで鏡写しのようでした」·お嬢様が追い出したメイドと不思議雑貨に関する一編もあったように思う。

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X掲載:2026年5月

こたえ

作品のタイトル:不思議を売る男

作者:ジェラルディン・マコーリアン

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