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未解決

あやふや本 No.6317

内容

昭和50年代くらいの古い小説で、多分有名な作家さんのお話だと思います。
単身赴任か出張かで不在の父親に会いに行くために、母親が小学校低学年くらいの息子を乗せ軽自動車で山道を走っていたが、豪雨となり道に迷い、立往生する。
母は車を降り、さっきの分かれ道や付近の正しい道を探しに行くが、子は車に残す。
怖がる子に、自分が戻るまで絶対ドアロックを解除してはいけない、怖い人が来たらこれで戦ったら勝てるから、と車の備品の工具からスパナを握らせる。
もちろん本気ではなく、子が心強くなれるお守りのようなものとして。
しばらくして母が戻るが、豪雨の中で窓をドンドン叩く母の顔は、子には母ではないものに見える。
髪はドロドロと顔にかかっているし、肌は血の気がなく、目を剥き口も大きく開けて叫んでいる。
ロックを開けずに怯えている息子に、母はますます叫び窓を激しく叩くが、雨音で声は届かず。
母が疲れ切り地面にへたり込んだ時、子は勇気を絞り出して素早くドアを開け、満身の力を込めてスパナで殴りつけ、怖いものは動かなくなった。

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